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■第三十四宿 「贄川(にえかわ)」 【広重】 (長野県木曽郡楢川村贄川) 木曽路十一宿の北端の宿場。絵の軒先の看板に、このシリーズの彫師、摺師、版元の名前がある。馬の尻に書いてある三十四とは贄川宿の宿番を示す。 |
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■第三十五宿 「奈良井宿・名産店之図(ならいしゅく・めいさんてんのず)」 【英泉】 (長野県木曽郡楢川村奈良井) 鳥居峠越えを控え、一夜の宿をとる旅人が多く「奈良井千軒」と言われるほど栄えた宿場。看板の「名物お六櫛」は、この地方の特産品で薮原宿の方が有名。 |
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■第三十六宿 「薮原・鳥居峠硯清水(やぶはら・とりいとうげすずりしみず)」 【英泉】 (長野県木曽郡木祖村薮原) 難所だった鳥居峠(標高1,197m)を越え薮原宿に。左手の松の根本に、木曽義仲が願文を書いたという硯清水がある。はるかに見える山は御嶽山。 |
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■第三十七宿 「宮ノ越(みやのこし)」 【広重】 (長野県木曽郡日義村宮ノ越) ここは木曽義仲ゆかりの地で、平家追討の挙兵の地、旗上八幡宮がある。絵は、夜霧を表現するシルエットの処理が見事で、近景はくっきりと遠景はぼかした技巧的に優れる名作。 |
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■第三十八宿 「福し満(ふくしま)」 【広重】 (長野県木曽郡木曽福島町) 福島は木曽谷の行政と経済の中心地。碓氷、箱根、新居と共に天下四大関所の一つがある中山道要の宿場。中山道のほぼ中間地点。信仰の山御嶽山への玄関としても賑わっている。 |
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■第三十九宿 「上ヶ松(あげまつ)」 【広重】 (長野県木曽郡上松町) 上松には「木曽八景」のうちの五景がある。その一つ「小野の滝」が描かれている。付近には中山道随一の景勝地と言われた「寝覚の床」がある。 |
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■第四十宿 「須原(すはら)」 【広重】 (長野県木曽郡大桑村須原) 宿場の中の水舟が風物。絵は宿のはずれの名刹「定勝寺」の境内だといわれる。激しいにわか雨に虚無僧の雨宿り、遠景の描写を墨色で表現し、雨の旅情を感じさせる。 |
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■第四十一宿 「野尻・伊奈川橋遠景(のじり・いながわばしえんけい)」 【英泉】 (長野県木曽郡大桑村野尻) 「野尻の七曲り」という外敵から町を守るために左右に曲がりくねった宿場の町並みが残る。絵は伊奈川橋を中心に描いており、左手奥に「木曽の清水寺」といわれる岩出観音がシルエットで描かれている。 |
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■第四十二宿 「三渡野(みどの)」 【広重】 (長野県木曽郡南木曽町三留野) 妻籠宿と並び栄えた宿場である。十二万体を夢見て全国行脚した円空の仏像が宿場内の等覚寺にある。絵には紅白の梅が咲き、春の訪れを告げている。 |
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■第四十三宿 「妻籠(つまご)」 【広重】 (長野県木曽郡南木曽町妻籠) 現在でも江戸時代の町並みをよく残しており、木曽路を代表する観光地として有名。伊那谷への分岐点でもある。絵は、馬籠峠を描いてある。 |
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■第四十四宿 「馬籠駅・峠ヨリ遠望之図(まごめえき・とうげよりえんぼうのず)」 【英泉】 (長野県木曽郡山口村馬籠) 妻籠宿と馬籠宿の間には馬籠峠(標高801m)がある。峠からは南に恵那山が眺められる。峠を下ると島崎藤村の生誕地であり、名作「夜明け前」の舞台になった馬籠宿。 |